午前三時


初めて買ったカメラはコニカのHEXAR RFという
レンジファインダーカメラだった。
これはまだ買ったばかりの頃の写真だったと思う。


カメラを持って写真を撮るようになると
自然と写真を見る時も撮影者視点になる。
そうすると写真に込められている気分や感情というのが
なんとなく感じ取れる気がしてきたりする。
もちろん自分の錯覚や妄想を多分に含んではいるけれど。




「写真は、その人のまなざしそのものだ」
街並みや友人、身の周りの人や物や景色に対する
愛着を感じさせる写真を見ると、少し嬉しくなる。




久しぶりに昔撮ったネガの整理をしている時
自分の撮った写真を見ながら、何の感慨も感じていない自分に気づいた。
何も込められていない、本当につまらない写真ばかり撮っていたんだと
そう思い知って、少し気が滅入った。


確かに感情を込めることが少なくなったと思う。
写真に限らず言葉にも。
デリカシーに欠けることも平気で言うようになったのも
そのせいかも知れない。


俺はもっと色んな物に愛着持って生きるべきだと思う。